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猫の爪の構造|不思議な仕組み!出し入れできる理由とは?

猫の生態
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猫の爪は、その特殊な構造から不思議な仕組みをしています。爪が出たり入ったりするメカニズムは、猫が自然界で生き残るために適応した結果なのです。

この不思議な特性は、猫の捕食やコミュニケーションに密接に関連しています。一見するとシンプルながら、その背後には進化の力が働いています。

猫の爪が出し入れできる理由は、生態学的な要因に由来しています。

爪を引っ込めておくことで、猫は日常生活でのけがや摩耗から身を守ります。さらに、ハンターである猫が狩りをするときの足音を出さないことにも役立っているのです。

しかし、獲物を捕まえるときや防御の際には爪を引き出すことで、力強い攻撃が可能となります。この機能は猫種によって微妙に異なり、それぞれの生態に最適化されています。

また、猫の爪は鋭く、その裏には爪を引っ込めるための特殊な靱帯が存在しています。これにより、爪の先端が常に研ぎ澄まされ、猫は狩りに備えることができるのです。猫の爪の構造は、自然との共存に適した進化の産物であり、我々が日常で見かける可愛らしいしぐさの背後には、生存戦略と狩猟本能が息づいています。

猫の爪の構造と形

猫の爪

猫の爪の構造はどのようになっているのでしょうか?詳しく解説していきます。

爪の構造

猫の爪は人間の爪とは異なり、タマネギのように幾重にも重なった構造をしています。

内側から新しい爪ができ、外側になるほど古い爪になります。古い爪は硬く割れやすく、爪も剥げやすい状態です。

また、爪の内側には神経や血管が通っておりクイック」と呼ばれています。

爪切りの際には深く切りすぎると出血する恐れがあるため注意が必要です。

猫の爪のアップ

猫の爪の形は鉤爪

猫の爪は人間の平らな爪と違い、鉤爪と呼ばれる形をしています。

  1. 根元から先端に向けて内側に湾曲
  2. 爪の先端は鋭い
  3. 獲物を抑えるのに適した形状

鉤爪の特徴で獲物を逃がさないようにしっかりと捉え、時には木に登ったり、時には引っ掻く武器として使っているのです。

猫の爪は18本

猫の爪の数は一般的には以下の通りです。

  • 前足5本
  • 後ろ足4本

左右合計で18本の爪があります。

猫の爪切りをするとわかると思いますが、猫は後ろ足の指は4本で爪も4本しかありません

これは「接地面積が少ない方が早く走れる」という理由から進化したと考えられています。猫は狩りをする動物なので、俊敏に動く必要があります。そのため、身体の構造も進化し変化していったと考えられています。

猫の爪の不思議な仕組み

爪をたてる猫

猫の爪は人間の爪と違い爪を出し入れできるという不思議な仕組みがあります。どのような仕組みで出し入れしているのか確認しておきましょう。

爪の出し入れ

猫をはじめとするネコ科の動物は基本的に爪の出し入れができます

普段、爪は自動的に格納されていますが、これは爪の摩耗を防いだり、足音を出さないようにするためです。単独で狩りをする猫にとって爪で足音が出てしまうことは致命的なのです。

反対に獲物を襲うときや木に登るとき、滑りやすい所を歩くときなどは自らの意思で爪を出すことができるのです。

爪の出し入れの仕組み

猫が爪を出し入れできる仕組みを解説します。

猫の前足の解剖図
出典:Britannica

①普段は、末節骨に連なっている爪は弾性靱帯の力により引っ張られ格納されている。

②意識的に動かせる筋肉の「深趾屈筋」と言う筋肉を動かすことで、筋肉が骨に付着する部分の「深趾屈筋腱」が引っ張られる。

③「深趾屈筋腱」が引っ張られることで関節が動き、爪が飛び出る。

  • 爪は指先の末節骨に繋がっている。
  • 末節骨には深趾屈筋腱が付着している。
  • 深趾屈筋腱は深趾屈筋が骨に付着する部分の腱。
  • 深趾屈筋を動かすことで末節骨が動き、爪が飛び出る

仔猫時代や高齢猫は爪を出しっぱなし

爪の出し入れをコントロールできる猫ですが、仔猫時代は出し入れができません。

これは仔猫の時はまだ筋肉や靱帯の成長が不十分で、爪の出し入れの機能として未発達のためです。

また、高齢猫も爪を出し入れできなくなることがあります。10歳くらいになると、猫も老化がすすみ爪の出し入れができなくなる猫も多いのです。さらに高齢になると爪とぎもあまりしなくなるため、爪が剥がれず太くなり巻き爪になりやす特徴もあります。

  • 仔猫は未発達で出しっぱなし
  • 高齢猫は老化で出しっぱなし

爪の出し入れができないネコ科動物たち

ネコ科の動物は多くが爪の出し入れができますが、中には出し入れができないネコ科動物もいます。

代表的な動物はチーターです。チーターはご存じの通り非常に走ることが速い動物です。速く走ることに特化しており、出しっぱなしの爪は地面をしっかり捉えるためのスパイクの作用があります。スピード勝負のチーターは爪の出し入れ時間も無駄にしないように進化しているのでしょう。

またスナドリネコという漁をするネコや、イリオモテヤマネコも爪の出し入れができないネコ科の動物です。

ネコ科動物でも、チーター・スナドリネコ・イリオモテヤマネコは爪の出し入れができない。

猫の爪のお手入れ

爪を伸ばすシャリュトリュー

猫の爪のお手入れは大事なお手入れの1つです。爪のお手入れには

  • 爪とぎ
  • 爪切り

があります。どちらも必要なお手入れです。その違いを確認しておきましょう。

猫の爪とぎ

爪とぎは、猫自身がおこなう爪のお手入れです。

猫の爪とぎは、爪を引っかけ剥ぎ取るようにおこないます。爪ヤスリで削るような人間の爪とぎとは違い、古い爪を引っかけて剥ぎ取るようなとぎかたです。

単独で狩りをしていた猫にとって、鋭い爪は獲物を捕らえる重要な武器。硬くて鋭い爪を保つために爪とぎは重要なお手入れ。

また、爪とぎの行為には鋭い爪を保つことの他にも、マーキング・猫自身のストレス解消という意味合いもあります。

【関連記事】猫が爪とぎする理由についてはこちら

猫の爪切り

爪切りは、飼い主さんがおこなう猫の爪のお手入れです。猫の爪切りでは、鋭い爪の先端を切り、尖っていない状態にします。

野生の外生活とは違い、人間と共存するためには鋭い爪によるトラブルを避ける必要があります。ペットとして迎え入れ、家で一緒に生活していくためには爪切りはかかせません。

爪切りをきちんとおこなうことで、猫自身や飼い主さんのケガを防ぎ、家の壁や家具も守ることができます。

爪の切り方は人間の爪切りと同様に、伸びた先端部分を切っていきます。ただし、猫の爪は根元に神経や血管もあるため、深く切りすぎないように十分注意して切ることが求められます。

【関連記事】猫の爪切り方法についてはこちら。

まとめ

おもちゃを狙う黒猫

猫の爪は、幾重にも重なった構造をしており外側の爪は古く硬い爪です。猫は自分で爪とぎをおこない、古くて割れやすい爪を剥がして鋭い爪を保っています。

また、猫は基本的に爪の出し入れを自在に操ります。人間が指を曲げるのと同じように、猫は爪を飛び出させることができるのです。

猫の爪は、猫にとって大事な体の一部であり、お手入れが欠かせません。

飼い主さんのできることは定期的な爪切りと、適切な爪とぎ器を提供することです。正しく猫の爪を理解して猫との生活を快適に送れるようにしましょう。

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