猫の置き餌で悩んでいませんか?
猫の餌を与えてそのまま置き餌にしている飼い主さんも多いと思います。「お腹すかせるのはかわいそう」と置き餌をついついやってしまうこともありますよね。
ついついやりがちな置き餌ですが、食事と健康問題は密接な関係があり、猫の置き餌はあまり推奨されていません。特に多頭飼いでは、安易に置き餌を行なうことで健康管理が難しくなります。
そこでこの記事では、「置き餌をやめるべき理由」「多頭飼いでの置き餌解決策」を解説します。
また、実際の多頭飼いでの置き餌の経験を含めた対応策の一例もご紹介しています。
猫の置き餌をやめて、猫との安全安心な生活を送りたい飼い主さんはぜひご覧ください。
猫の多頭飼いで置き餌をやめるべき理由

さっそくですが、猫の多頭飼いでは置き餌はやめましょう。
理由は以下点です。
・衛生的でないため
・フードの劣化により鮮度が落ちてしまう
・健康管理ができない
・体調不良に気づきにくい
・猫同士のトラブルの原因
それでは詳しく確認していきましょう。
衛生的ではない
置き餌がダメな理由として、衛生的でないことがあげられます。
多頭飼いに限らず置き餌をしていると、猫は食べたい分だけ食べ、食べ残しが生じます。食べ残しには、猫の唾液などから雑菌が繁殖してしまう可能性があります。菌の繁殖という観点からであれば、ドライフードであれば繁殖は多少抑えることができますが、ウェットフードは水分量も豊富であり傷みやすく菌の繁殖も多いです。そのため、特にウェットフードの置き餌は控えましょう。
また、長時間置いたままであると、室内でもホコリやゴミが付着してしまうことがあります。猫はホコリやゴミをよけることなくそのまま食べてしまうこともあるため、注意が必要です。
フードが劣化し鮮度が落ちてしまう
置き餌がダメな理由として、フードの鮮度が落ちることがあげられます。
鮮度が落ちると猫の食いつきが悪くなり、食べなくなることもあります。
置き餌で長時間出しっぱなしにしておくと、ドライフードは徐々に湿気てしまい、ウェットフードは乾燥してしまいます。さらに、匂いも飛んでしまい猫が美味しく食べることができなくなってしまうのです。
猫が食べなくなると、結局残ったフードは処分することになってしまいます。最終的に処分してしまうのであれば、置き餌として残さずに常に新しいフードを提供することを心掛けましょう。そうすることで、鮮度劣化からの食いつき軽減を気にする必要がなくなります。
健康管理ができず肥満の原因になってしまうことがある
置き餌がダメな理由として、肥満の原因となってしまうからです。
多頭飼いでの置き餌では、それぞれの猫が好きなだけ食べられる状況にあります。つまりどの猫がどの程度の餌を食べたのかわからなくなってしまいます。他の猫の分まで食べてしまう食いしん坊の猫がいると、いつでも食べられる置き餌の環境は、食べ過ぎに繋がってしまいます。多頭飼いの環境では、他の猫の分まで食べることができるため、肥満の原因となってしまいます。
そして、どの猫がどの程度食べたのかわからないことは健康管理をする上では問題となりやすいのです。 肥満予防や健康管理のためにも、置き餌をやめて食事の管理をしっかりとおこないましょう。
日々の変化に気が付きにくくなる
置き餌にすると、日々の変化に気がつきにくくなります。
例えば置き餌では、どの猫がいつどれだけ餌を食べたか把握することは非常に難しいことになります。餌を食べるタイミングは猫次第となるため、常に注意深く猫を観察しておかないと、いつどれだけ食べているか把握することは困難となります。
一方、置き餌ではなく毎回同じ時間に同じ量の餌を与えている場合は、食べる量や食べ方などの食事場面の変化を察知しやすくなります。食事と健康問題は関連性が高いため、置き餌にせず食事の観察を行ない日々の体調変化に気づけるようにしておきましょう。
多頭飼いでは置き餌がトラブルの原因になることも
置き餌に関しては、多頭飼いならではの問題もあります。
例えば、餌をめぐったケンカになったり、他の猫の餌を食べてしまったり、力関係の弱い猫が食べることができなかったりと、一匹では起こり得ない問題も起こります。
猫の食欲には個体差があり、ゆっくり少しずつ食べる猫や、一気にガツガツ食べる猫もいます。そのように個体差がある中での置き餌は、猫の食事管理がとても難しくなります。置き餌ではなく決まった時間に決まった量の餌を与えることで、それぞれの猫がちゃんと食べる可能性もあります。
猫同士のトラブルを避けるためにも置き餌は控えるようにしましょう。
多頭飼いで置き餌をしてしまう原因

ではなぜ多頭飼いでは置き餌をしてしまうのでしょうか。置き餌をしてしまう理由を考え、その理由の対策ができれば置き餌の必要がなくなることでしょう。置き餌をしてしまう代表的な理由を確認してみましょう。
他の猫の横取り
多頭飼いでは他の猫の横取りにより、食べられない猫のために置き餌をすることがあります。意外とこの横取りの原因により置き餌になっているケースも多いと思います。ちょこちょこ食べの猫がいる場合や、時間を決めてあげた場合にも横取りをされてしまうことがあります。
横取りの理由にもいろいろあり、「猫同士の上下関係」「餌の好み」「他の猫が食べているものが気になる」という理由もあります。
理由に応じて厳密な対応は変わるでしょうが、横取りがある場合は、食べられない猫に対して置き餌をすることもあるでしょう。
他の猫や飼い主さんを気にしてご飯を食べない
多頭飼いをしている場合、他の猫を気にして食べない場合に置き餌をすることがあります。猫同士仲がよくない場合はそれぞれタイミングをずらして餌を食べることもあるように、一緒に食べないケースもあるのです。
猫は本来警戒心が非常強い動物です。食事中は無防備になりやすいため、他の猫や飼い主さんが居ると警戒して食べることができない場合もあります。このような場合も、食べられるときに食べて欲しいと思い、置き餌をしてしまうことがあります。
多頭飼いでの置き餌の原因である「横取り」を防ぐ方法

多頭飼いでは他の猫の横取りが意外とあります。この横取りが原因で置き餌をせざるを得ない状況の飼い主さんも居ることでしょう。
そんな置き餌の原因ともなっている、横取りを防ぐ方法をご紹介していきます。
・場所を別々にする
・時間を分ける
・飼い主さんが見守る
・満足感のあるフードを与える
・仕切りを使って分ける
・固体認識型自動給餌器を使う
食事の場所を別にする
同じ場所で食事をしている場合は、食事の場所を変えてみましょう。
猫同士見える場所であれば、他の猫が食べているものが気になり、横取りしてしまうこともあります。そのような行動を避けるためにも、横取りが頻発している場合は、食事の場所を別々にしてみましょう。
最初は場所を少し離す程度からはじめてみて、それでも横取りがある場合は距離をさらに離していきましょう。お互い見えない場所であったり、お互い背中を向け見えないようにするなど、工夫しながら距離をとって、横取りしない場所で食事するようにします。
ただし、2~3匹の飼育頭数であれば可能ですが、数が多くなると別の場所での管理は難しくなります。飼っている頭数に合わせて検討してみましょう。
餌の時間を猫ごとに分ける
同じ時間に食べている場合は、時間をずらしてみましょう。時間をずらすことで、一緒に食事することがなくなり横取りはできない状態になります。
ただし、猫が同じ空間にいる場合は、飼い主さんが見守っていないと時間をずらしたつもりでも、勝手に横取りされることも考えられます。そのため、時間をずらす場合は、飼い主さんが見届けるか、食事を待っている猫は別部屋で待機してもらう必要があります。
また、時間の違いが猫にとって優劣に繋がることもあるため、なるべく先住猫を優先して餌をあげてください。
注意点として、2~3匹であれば時間をずらすことが可能でも、飼育数が多くなると時間をずらすことは難しくなります。時間をずらすことは、飼い主さんの時間を使うことにもなるため、数が多くなると現実的ではなくなってしまいます。
食べ終わるまで様子を見守る
横取りを防ぐ方法として、同時に与え、飼い主さんが見守ることです。
飼い主さんが見守ることで、横取りしそうになれば未然に防ぐことができます。
飼い主さんが見守っていることで、同じ場所で同じ時間に餌を与えた場合でも、横取りしそうになれば止めることができます。
また、同じ場所での食事を嫌がる場合は、少し離れた場所で同時に与えることで猫の食事がスムーズに進むことでしょう。
満足感を得られるフードを与える
猫の餌の横取りを防ぐ方法としては、フードを満足感があるものに変更することです。
横取りする原因はさまざまですが、原因の1つに他の猫の食事が気になり食べてみたくなることもあるのです。
そこで、自分の目の前の食事に夢中になれるようなフードであれば、横取りに繋がらないこともあります。
食いつきがよく猫が満足感を得られることで、横取り防止に繋がります。
仕切りを使って分ける
横取りを防ぐ方法として、仕切りを使って猫たちを分けることです。
仕切りを使い分けることで他の猫の食事場面が目に入らず、目の前の食事に集中しやすくなります。最大のメリットとして、横取りは防ぎつつ食事場所を別にする必要がなくなり、一カ所で済ませることができることです。一方、新たに仕切りを準備する必要があり、気軽に試してみることができない点が難点です。
ダンボールや100均のカゴ、衣装ケースを利用して仕切りを手作りしている方も居るようです。
個体認識型自動給餌器を使用する
横取りを防ぐ方法として固体認識型自動給餌器を使用する方法があります。
固体認識型自動給餌器とは、専用のタグまたはマイクロチップが埋め込まれている場合はマイクロチップを登録することで、近づくと自動で蓋が開くシステムの自動給餌器です。つまり、特定の猫が近づくと餌が入った容器の蓋が開き、離れると閉まり食べることができなくなるというものです。置き餌自体の解消にはなりませんが、多頭飼いで特定のフードしか食べられない猫がいる場合には活躍しそうなものですし、横取りを防ぐためには効果的かもしれません。「シェアフィーダー」という商品名で販売されています。
猫の置き餌をやめるためにできること

猫の置き餌をやめるためにできることをご紹介します。やめるために何をするべきか確認していきましょう。
与える量を決める
置き餌をやめるためには、フードを与える量をしっかりと決めておきましょう。フードごとに体重別の給餌目安量が記載されているため、参考にしながら量をしっかりと守り与えましょう。
なんとなくや食べる分だけ与えていると、食べ過ぎの原因になります。また、置き餌の場合も与えすぎていることが多くあります。
与える量をしっかりと把握することで、食事管理を意識でき与えすぎに注意するようになり、置き餌を控えることに繋がっていきます。まだフードの量を決めずに与えている場合は、給餌目安量を参考にして決まった量を与えるように心掛けてください。
与える時間を決める
規則正しい食生活のためにも与える時間も決めておきましょう。
通常成猫は1日に2~3回に分けて与えることが推奨されているため、少なくとも朝と夕(夜)時間を決めてあげましょう。小分けにして与える場合は、昼や夕方と夜をそれぞれ与えるなど事前に決めておくとよいでしょう。
時間を決めてしまえば、毎回同じ時間に与えるようにしてください。猫はご飯の時間を比較的正確に覚えています。
急に環境を変えない
今まで置き餌で給餌していた場合は、急に置き餌をやめることは猫にとってはよくありません。猫は環境の変化に敏感であり、ストレスを感じやすい傾向にあります。
徐々に慣らしていくためにも、少しずつ置き餌の回数を減らしていくようにしましょう。1週間~2週間かけて変更していくとよいでしょう。
猫の置き餌がやめられない場合の注意点
飼い主さんの中には置き餌のよくない点を理解しつつも、必要性があり置き餌自体をやめられない人もいると思います。そんな置き餌をやめられない状況である時でも以下の点を抑えておきましょう。
衛生管理を徹底する
置き餌をやめられない場合には、一番の問題ともいえる衛生管理を徹底しましょう。
置き餌では猫が食べ残すことで、残ったフードに雑菌が繁殖する可能性が高まります。
特にウェットフードは水分量が多く、置き餌では雑菌の繁殖が多いため絶対にやめましょう。置き餌をする必要がある場合は、ウェットフードに比べて雑菌の繁殖が少ないドライフードを置き餌するようにしましょう。また、ドライフードであっても食べ残しを長く置いておくことは避け、新しいフードを置いてあげることを意識して置き餌をしてみてください。また、可能であれば給餌皿も新しくすることで、衛生管理を万全にすることができます。

栄養管理を怠らない
置き餌をやめられない場合には、栄養管理も怠らないようにしましょう。
置き餌では食べた量の把握が難しくなるので、一定量を与えて残った量から摂取量を算出して摂取エネルギーを計算します。必要なエネルギー量を過不足無く摂取できるように、食べた量の把握をするようにしましょう。
我が家での置き餌事情
我が家には3匹の猫が居ます。
置き餌に対しての知識が無い猫を飼い始めた頃には、「お腹をすかせてはかわいそう」と置き餌をしていました。ちょこちょこ食べる猫もいたため、置き餌での安心感もありました。
置き餌のデメリットを知識として得てからは、置き餌を控えるように改善していきました。
急に変えることを避け、徐々に慣らしていくように1ヶ月ほどかけて変えています。少しずつ慣らすことで、ある程度のちょこちょこ食べは改善し、与えた時に食べることが多くなりました。ただし、日によっては食べ残すこともあります。食いが悪い猫は体調を気にかけたりおやつを多めに与えたりと、調整をしています。

まとめ
猫の置き餌は、飼い主さんにとって楽な点もありますが反対に猫の健康管理が難しくなります。
特に多頭飼いであれば、猫の食事管理が難しくなります。
置き餌をやめて食事管理を行なうことで、猫の健康を守り健康寿命を延ばすことができます。
置き餌週間を改善し、愛猫との健康な生活を送れるようにしていきましょう。
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