『うちの子は粗相なんてしない』『今まできちんとトイレでできていたのに・・・』『まさかうちの子が粗相するようになるとは』
そんな思いを経験したことある飼い主さん。粗相の原因はきちんと突き止めましたか?原因を取り除き、対策していますか?最初の対応を間違うと粗相を繰り返してしまう原因になることもあります。
いくら愛猫とはいえ、粗相を毎日繰り返されると、飼い主さんもお世話に疲れてストレスを感じることでしょう。粗相を繰り返す状況になる前に、猫がトイレで排泄できる環境を再度作る必要があります。
この記事では、猫の粗相の原因とその対策方法について解説しています。原因を把握し対策をおこない、トイレできちんと排泄できる環境にすることで、猫も飼い主さんも安心して暮らせるようにしましょう。もう粗相で困らないように、確認していきましょう。
猫の粗相の原因
猫の粗相の原因は、さまざまな要素によって引き起こされることがあります。主な要素について確認しておきましょう。
トイレ環境が気に入らない
猫は非常に清潔好きな動物であり、トイレの環境が気に入らない場合には粗相をすることがあります。猫がトイレを使わない理由として、猫砂の種類や質、砂の清掃頻度、トイレの大きさ、トイレの位置などが挙げられます。猫が快適に使えるトイレ環境を整えることが重要です。
老化によるもの
猫が年をとると、身体の機能が低下して今まで使えていたトイレが使いにくくなり、問題が生じることがあります。老化による関節痛や筋力の低下により、トイレまでの移動が難しくなったり、排尿コントロールが困難になることがあります。また、認知機能低下によりトイレの場所がわからなくなることも。年齢に応じたケアとして、猫がよくいる場所に入りやすい段差の低いトイレを複数配置し、すぐにトイレにいけるような工夫が必要です。
発情によるもの
発情期の猫はホルモンの影響を受け、行動が変化することがあります。粗相もその一環として現れることがあります。発情期には適切な対処方法を取ることで、粗相問題を軽減することができます。
ストレスによる粗相
猫はストレスを感じると粗相をすることがあります。猫は環境の変化に敏感であり、ストレスを感じやすいのです。例えば、「新しいペットを迎え入れた」「引っ越し」「新しい家具や模様替え」などがストレスの要因となることがあります。猫のストレスを軽減するためには、環境の安定やリラックスできるスペースの提供が必要です。
病気が原因での粗相
猫が病気や身体的な不快感を抱えている場合にも、粗相をすることがあります。尿路感染症や腎臓疾患などが原因となることがあります。病気の場合は早期発見と適切な治療が重要です。早めに動物病院に連れていきましょう。
猫の粗相をやめさせる対策法 ~トイレでさせる環境作り~
粗相をやめさせる対策として、猫トイレ環境やストレス要因を取り除き猫がトイレで排泄できる環境を整える必要があります。
トイレ環境の調整としてできることとストレス要因に対してできることを解説します。
・トイレの場所は暖かいアクセスしやすい場所
・形や大きさを変える
・猫砂を変える(粒が小さい砂)
・トイレの数を増やす
・トイレ掃除してキレイに保つ
猫トイレの設置場所を変える
トイレの場所が気に入らなかったり、落ち着かない場所に設置してあると猫が使用せずに粗相に繋がる場合もあります。基本的に猫は何歳になっても同じ場所で排泄する傾向にあるため、先々を考えて高齢になってもアクセスしやすい場所に設定するべきです。
風通しの良さやアクセスの良さから、玄関や廊下にトイレを設置している飼い主さんも多いと思います。しかし、猫にとっては玄関や廊下はあまり好まれません。特に冬場は寒さが厳しく猫がトイレに行くことをためらうケースもあります。
オススメの場所は「リビング」です。リビングであれば飼い主さんも集まる場所であり、猫の排泄チェックもしやすくキレイに保つことができるでしょう。
もう一度、今のトイレ設置場所の環境を見直してみましょう。飼い主さんの都合だけで選んだ場所になっていませんか?
猫トイレの形を変える
粗相をやめさせる方法として、猫トイレのそのものの形を変えてみましょう。
なぜなら、猫がトイレの形が気に入らずに粗相にしてしまう場合もあるからです。
形をまったく気にせずにどんなトイレでも使う猫もいますが、ちょっと神経質な猫は気に入らないと使わないこともあります。例えば、トイレの入り口が高すぎたり、足をかけると「カタッ」と音が鳴る、トイレが狭すぎて嫌だなどの理由があります。
気に入っているかどうかは、トイレの使用を注意深く観察してみましょう。トイレを嫌がっているとされる代表的な合図として「トイレのヘリに足をかけて排泄」「排泄後に砂かきしない」「トイレのヘリや壁、空中をかく」。これらの行動はトイレを嫌がっているサインかもしれません。
常にトイレをきれいに保っていても上記のような行動がある場合は、トイレの形が気に入ってないのかトイレが小さいのかもしれません。その場合はトイレの形や大きさを変えてあげましょう。
トイレの猫砂を変える
猫が粗相をする場合に、猫砂が気に入っていない場合もあります。
猫が好む猫砂としては、砂状の粒が細かい無香料のものです。猫も前足で砂をかくので、やはり「触感がよいもの」や「猫がかきやすい」と感じるものがよいのでしょうか。
毎日のお手入れもあるため、飼い主さんの使い勝手もありますが、猫が気に入っているかどうかも注意して観察してみましょう。
猫トイレを増やす
粗相させないために猫のトイレを増やしましょう。
なぜなら、猫はキレイなトイレを好みます。汚れたままのトイレは使いたくないこともあり、粗相につながる場合があります。
例えば、飼い主さんが不在で猫がお留守番の時は、排泄のたびに掃除ができません。このような場合、猫が再度トイレに行きたくなったとき、トイレには排泄物が残っておりキレイな状態ではないのです。キレイなトイレを好む猫にとっては、トイレがまだ掃除されていない時に、もう一つトイレがあると安心して使えることになります。
もし、お留守番中の粗相に悩んでいる場合は、トイレの数を増やすことも検討してみましょう。
猫トイレの掃除回数を増やす
猫の粗相の対策として、猫トイレの掃除回数を増やしてみましょう。
猫はキレイ好きであり、掃除が行き届いていないと使いたがらない場合があります。仮に排泄後にすぐに排泄物は片付けていたとしても、トイレ自体が汚れている場合もあります。トイレ自体が汚れてしまうと使いたがらずに粗相につながる場合もあります。
猫トイレの掃除は、排泄後はすぐに排泄物を取り除き、月に1回は丸洗いするなどいつでも清潔に使用できるようにしましょう。
一緒に過ごす時間を増やす
粗相をやめさせる対策として、猫のストレスを取り除くために一緒に過ごす時間を増やしましょう。
猫は環境の変化などから不安を感じ、ストレスになり「いたずら」や「粗相」につながるケースがあります。このような場合は、いくらトイレ環境を変えても改善しない可能性があります。粗相の原因がトイレ環境ではないからです。
ストレスから生じる粗相であれば、猫の不安やストレスを十分に取り除いてあげる必要があります。そのためには、飼い主さんが猫と一緒に過ごし遊んだりブラッシングをしたりコミュニケーションをとってあげてください。
粗相を叱らない
猫の粗相を改善するためには粗相を叱らないでください。
猫を感情で叱っても、効果は得られませんし、猫に嫌われ、猫のストレスになります。猫は叱られても、その行動がやってはいけないことという認識にはなりません。そのため、叱られても「自分に嫌なことをする人」という印象をつけてしまうだけかもしれません。
何度も繰り返す粗相やわざとかのように行なわれる場合は、怒りの感情にまかせて叱ってしまいそうになりますが、グッとこらえましょう。そして、間に合うのならばトイレまで連れて行ってあげましょう。間に合わない場合は、怒りを抑え、粗相のことには触れずに片付けます。粗相をして「飼い主さんに構ってもらえる」という認識を猫に与えないためにも、粗相をしたときはあえて無視するかのようにしましょう。
粗相を叱るのではなく、トイレで排泄できたときに褒めてあげましょう。
猫のトイレトレーニングを行なう
猫が嫌がらないトイレ環境を準備できたら、トイレで排泄する練習をしましょう。
猫が粗相を繰り返している場合は、粗相する場所に排泄物の匂いがつきその場所をトイレと認識してしまっている可能性があります。
例えば、ソファでの粗相を繰り返す場合、猫にしかわからないレベルの匂いが残っているとそこで排泄してしまうことがあります。このような場合は、ソファでの排泄ができない環境を作りトイレで排泄できるように練習していきます。
そして、きちんとトイレでできたときは、しっかりと褒めてあげましょう。
猫の粗相をやめさせる対策法 ~トイレ以外でさせない環境作り~
猫の粗相をやめさせる対策として、粗相する環境を無くしていくことも行ないましょう。
粗相を繰り返す猫にとっては、その場所にあるものがトイレという認識になっている場合もあります。トイレ以外で排泄できないような環境を作るためのポイントを解説します。
・粗相する場所へのアクセスを絶つ
・粗相する場所にあるものを無くす
・猫の行動制限
よく粗相する場所へのアクセスを絶つ
粗相する場所が決まっている場合、その場所へ行けなくしてしまいましょう。
その場所に行けなくなることで、トイレに行きたいときに自然と猫トイレで排泄する環境となります。
例えば、寝室の布団で何度も粗相する場合は、寝室への出入りをできないようにしてしまいましょう。ドアを閉めたり、廊下に脱走防止柵を設置するなど、その場所へのアクセスを絶ってしまいます。
猫にとって多少ストレスを感じるかもしれませんが、飼い主さんと生活していく上では粗相は改善する必要があります。
よく粗相する場所にあるものを無くす
粗相する場所が決まっていてもアクセスを遮断できない場合には、粗相する場所にあるものを無くしてしまいます。そのもの自体が、猫にとってトイレであると認識している可能性もあるため、粗相しているもの自体を無くしてみましょう。
例えば、リビングにあるラグやクッションで粗相する場合は、そのラグやクッションは片付けてしまいましょう。仮にソファや布団での粗相の場合は、防水カバーを被せるなどして猫が排泄しにくい状況にします。
おすすめはニトリの「防水マルチすっぽりシーツ」です。上からすっぽり被せてしっかり防水してくれます。
猫自身の行動に制限をかける
粗相をやめさせる対策として、猫の行動制限をすることです。
繰り返しの粗相が改善しない時で、さらに他の方法での対応が難しい場合のみ、猫の行動制限をおこないましょう。
例えば、猫専用の部屋を設けてそこで過ごさせるか、猫用ケージを使用する方法です。猫専用部屋もケージもどちらも猫トイレを準備しておき、排泄が自然とできるようにもしておきましょう。
他の方法で粗相の改善ができることが1番望ましいですが、いろいろな方法を試しても難しい場合があります。そのよな場合の最終手段として、猫ケージ等を使用した行動制限をおこない、猫にトイレでの排泄を再獲得してもらいましょう。
ただし、猫に行動制限をおこなう方法は、猫自身に強いストレスがかかる可能性が高いため、慎重な判断が必要です。飼い主さんの目が届かない時などに限定して、短時間の制限をかける程度にしておきましょう。
猫が粗相したときの掃除方法
猫の粗相に直面したとき、繰り返さないためにもはじめに適切な対処方法を取りましょう。ここでは、猫が粗相したときの具体的な対処方法について説明します。
・洗えるものはすぐ洗う
・匂いを徹底的に対策する
・熱湯、重曹、クエン酸が有効
・匂いが取れないものは捨てる
洗えるものはすぐに洗う
もし猫が粗相をした場所が洗えるものであれば、すぐに洗濯することが大切です。手洗いできる場合には、手洗いして汚れをすぐに取り除きましょう。洗剤や除菌剤を使用して、しっかりと衛生管理を行います。
また、猫のおしっこには重曹やクエン酸が効果的です。粗相した場所に重曹をまきぬるま湯につけておくことで匂いを取り除くことができます。
熱湯をかけて拭き取る
猫が粗相をした場所がカーペットや布製品など、洗えないものである場合は、熱湯をかけて拭き取る方法が効果的です。熱湯には殺菌効果があり、ニオイや菌を取り除くことができます。実際猫の匂い成分は熱湯により分解されるので、効果の高い対処方法になります。
布団など大型なものでも、浴槽を使いおしっこがかかった部分は熱湯で洗いましょう。そうすることで、匂いを残さず粗相の繰り返しを防止できます。ただし、素材によっては変色や損傷の恐れがあるため、注意が必要です。
おしっこを拭いたものをトイレに入れておく
猫が粗相をした場所には、おしっこを拭いたティッシュやペーパータオルをトイレに置いておきましょう。この方法は、猫が自身の匂いを感じることでトイレの場所と認識しやすくなります。猫の本能的な行動にアピールすることで、トイレの利用を促す効果が期待できます。
頻尿やトイレ時間が長い場合は病院へ
繰り返す粗相の原因が病気による可能性もあります。
粗相が増えたときに疑われる病気の代表的なものは「尿路結石」「糖尿病」「慢性腎不全」などがあげられます。
病気による粗相では、トイレまで我慢できずに粗相してしまうケースや、病気が原因で飲水量が増えトイレの回数も増えてトイレに間に合わないケースなどがあります。環境変化などがなく急な粗相が出始めた場合は、病気の可能性も考えられます。排尿回数や排尿時間をしっかりと観察して、いつもより頻度や時間が長い場合は動物病院を受診しましょう。
猫の粗相に関するまとめ
猫の粗相の原因は「トイレ環境」「ストレス」「病気」とさまざまな原因が考えられます。まずは、粗相の原因が何にあるのかを知ることが大切です。そのためには、猫を観察して、原因である「トイレ環境」や「ストレス」の詳細を把握し、1つずつ対応方法を試みることで粗相の改善が期待できます。
猫は本来トイレをちゃんと覚えて、トイレ以外での排泄を好みません。粗相には必ず原因があります。原因を特定して正しい対応をおこない、猫も飼い主さんもストレスなく生活できるようにしましょう。
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