「猫のブラシは種類が多すぎてどれがいいのかわからない」「猫のブラシなんてどれでも一緒」
私自身猫を迎え入れたころはそう思っており、3匹の猫に同じブラシでブラッシングをしていました。
しかし実は、猫のブラシには毛の長さや被毛のタイプによって使い分けが必要なのです。さらに、毛の絡まり改善や、換毛期の抜け毛対策、被毛のツヤ出しと使用用途によっても使い分けが必要です。
誤ったブラシでのブラッシングは猫が痛がり、ブラッシング嫌いになるだけではなく、皮膚を傷つけてしまう恐れも・・・。
正しいブラシを選ぶ必要があるのですが、猫用ブラシは種類が多くどれを選べば良いのかわかりにくい。そんな飼い主さんのために本記事では、猫の毛の長さ別におすすめするブラシ、また用途別におすすめするブラシをご紹介します。さらに、それぞれのブラシ別の特徴も解説します。
この記事を読むことで、猫にどのブラシを使用するべきか迷わず、用途に合わせた最適なブラシを選ぶことができます。正しいブラシを使用することで、愛猫の被毛を美しく保ちブラッシングされてうっとりする可愛い姿を目にすることでしょう。
猫用おすすめブラシ~被毛タイプ別~

猫のブラッシング用ブラシには多く種類があります。猫の被毛の長さでも使用するブラシが変わります。ブラシによっては、同じ商品でも長毛猫用、短毛猫用の商品が用意されています。ここでは、猫の被毛タイプによるおすすめのブラシをご紹介します。
長毛種の猫におすすめのブラシ3選
モフモフでフワフワの被毛が特徴の長毛猫。そんな長毛猫におすすめブラシ3種類をご紹介します。
スリッカーブラシ
長毛猫におすすめのブラシはスリッカーブラシです。
長毛猫の特徴は毛がもつれやすく毛玉になりやすい点です。さらに1本1本の毛が長いため、抜け毛が落ちていると目につきやすいということもあります。つまり毛の絡まりをほぐしやすく抜け毛を適切に処理してくれるブラシが長毛猫には最適です。
スリッカーブラシは毛玉や毛の絡まりをほどくことを得意とするブラシです。プロのトリマーさんも使用されていることが多いアイテムになります。ただし、力加減を間違えると猫が痛い思いをすることがあるため注意が必要です。ブラシの先端が丸くなっているものもあり、それを使用することで皮膚を傷つけにくく使いやすいでしょう。使用時の力加減などの注意点はありますが、抜け毛対策と毛の絡まり対策にもってこいのブラシです。
ピンブラシ
長毛猫でも特に毛量の多いフワッフワッの猫におすすめなのがピンブラシです。
ピンブラシは毛玉や毛の絡まりをほどくこともでき、日常的なブラッシングに最適です。人間が使うブラシに形も似ているため、はじめての人でも使いやすいのが特徴。
ピンブラシのピンは間隔が広く、抜毛の取れる量は多くありません。そのため、日常使いには良いですが換毛期には他のブラシと併用することをおすすめします。
コームタイプ
長毛猫におすすめするブラシの1つとしてコームタイプのブラシがあります。コームタイプのブラシは、金属製の目が細かい櫛タイプです。抜け毛を取り除いたり、毛並みを整えたり日常的に使うことができるブラシです。
抜け毛を取り除く効果はあまり高くないですが、フケやノミをとれるといったメリットもあります。また金属やステンレス製のものは耐久性に優れており、長持ちすることでしょう。
ブラッシングの仕上げ用として1つあると便利で、長毛猫の毛並みを整えるのに最適です。
短毛種の猫におすすめのブラシ3選
毛並みが整い、つやつやでさらさらな被毛の短毛猫。そんな短毛種におすすめのブラシ3種類をご紹介します。
ラバーブラシ

短毛の猫におすすめのブラシはラバーブラシです。
ラバーブラシはその名の通りゴムやシリコンでできたブラシです。ブラシで軽く撫でると、抜け毛を引っ張るように絡め取ってくれます。実際に軽く撫でる程度でしっかりと抜け毛が回収できますし、猫も気持ちよさそうにブラッシングされています。
性質上、毛を摩擦で巻き込んで絡め取るため、長毛猫は毛が引っ張られて痛みが出る可能性があります。毛玉や毛の絡まりをほどくことは得意ではないため、抜け毛対策用として使いましょう。
アンダーコート用ブラシ

短毛猫におすすめのブラシとして、アンダーコート用ブラシがあります。特にダブルコートといわれる、二重構造の被毛を持っている猫には有効です。
換毛期に発生する大量の抜け毛を効率的に回収できます。ただし、抜け毛を回収するだけではなく、毛を刈り取るため、やり過ぎると抜毛以外の毛も刈り取ってしまいます。
アンダーコート用ブラシは、短毛用・長毛用それぞれ専用のものがあります。猫の被毛の長さに合ったものを使用しましょう。短毛だけに限らずダブルコートの猫にはおすすめできます。
短毛猫限定ですがおすすめのブラシはゾログルーミングコームです。
使い方はとても簡単!コームをペットの毛並みに沿ってブラッシングするだけ 【ZOORO ゾログルーミングコーム】
獣毛ブラシ
短毛猫におすすめのブラシとして獣毛ブラシがあります。獣毛ブラシは、豚の毛や猪の毛でできているブラシで、毛をつやつやに仕上げてくれます。
短毛猫は毛玉や毛の絡まりはできにくいです。そんな短毛猫のブラッシングのポイントは、抜け毛の除去と汚れをとり毛艶をだすことです。
獣毛ブラシは抜け毛対策としては高い効果を持っていませんが、汚れの除去や艶出しには効果抜群です。獣毛ブラシでブラッシングすると、美しくつやつやの被毛を維持できることでしょう。短毛猫には、ソフトタイプの獣毛ブラシをおすすめします。
猫用おすすめブラシ~用途別~

猫のブラシにはいろいろなタイプのものがあります。それぞれ使用用途があるため、使用用途別におすすめブラシをご紹介します。
換毛期用ブラシ
換毛期のおすすめブラシは、アンダーコートブラシです。アンダーコートが生え替わる換毛期には、大量の毛が抜けるため、特に抜け毛処理に優れたブラシが効率良く対応できます。
日頃使うお手入れ用のブラシとは別に、換毛期用にアンダーコートブラシがあると非常に便利です。「日頃のお手入れで使えないならもったいない」と思う方も居るかもしれませんが、1つあると非常に助かります。抜け毛処理に特化していますので、ブラッシング時の抜け毛回収能力が違います。特に冬毛から夏毛に変わる時には、アンダーコートブラシでしっかりと下毛を取り除くことで猫自身の体温管理にも繋がり熱中症予防にもなります。
アンダーコートブラシは換毛期に大量に抜ける毛をしっかりと処理してくれるので、ぜひ1つは準備しておきましょう。
抜け毛対策用ブラシ
換毛期とは別に日頃の抜け毛対策としてのブラシは、ラバーブラシがおすすめです。
ラバーブラシはゴムの摩擦で抜け毛を回収します。適度な摩擦で猫も気持ちよさそうにブラッシングされることが多いです。一方力加減が強すぎると、猫の被毛を引っ張りすぎ痛がることがあります。ブラッシング時の力加減には注意しておこないましょう。
毛の絡まり改善用ブラシ
毛の絡まりをほどいたり、毛玉になるのを防ぐためにおすすめするのは、スリッカーブラシです。
スリッカーブラシは毛の絡まりをほどくことを得意とするブラシです。特に長毛猫は毛の絡まりができやすく、そのままにしておくと皮膚が引っ張られ炎症を起こしてしまうリスクがあります。
使い方や力加減によっては皮膚を傷つけてしまう可能性もありますが、上手く使うことで毛の絡まりをほどくことができます。毛の絡まりがある場合には、スリッカーブラシをつかい絡まりをほどいていきましょう。
仕上げ・整える用ブラシ
ブラッシングの仕上げや被毛を整えるためのブラシとしてはコームタイプのブラシがおすすめです。
他のブラシと比較して目が細かいため、絡まりがあると皮膚が引っ張られてしまうリスクがあります。そのためスリッカーブラシなどで毛の絡まりをほどいた後に、仕上げ用としてコームを使うと良いでしょう。毛の絡まり等がない場合は、毎日のお手入れにも使えます。さらに、顔周りなど他のブラシではやりにくい場所もコーミングできます。特に目の細かいタイプのブラシはフケやゴミも取り除きやすいです。
絡まりや毛玉がなくなり、美しい被毛の仕上げにコームを使用すると良いでしょう。
被毛のツヤ出し用ブラシ
被毛のツヤ出し用のブラシとしては、獣毛ブラシがおすすめです。
艶出しのブラシとしては、唯一のため獣毛ブラシ一択です。長毛種では毛先が不揃いのハードタイプ、短毛種であれば毛先が揃ったソフトタイプを選ぶことをおすすめします。
ナイロンやプラスチィック製のブラシは静電気が起こりやすいですが、豚毛や猪毛製のブラシには適度な油分と水分が含まれており、静電気もおこりにくくおすすめです。
ブラッシングに慣れていない猫
ブラッシングにまだなれていない猫には、グルーミンググローブがおすすめです。
グローミンググローブは、手袋タイプのブラシです。グローブのように手にはめて状態で猫を撫でると抜け毛が取れるというものです。グローブの手のひら側がラバー製のブラシのようになっており撫でるようにブラッシングできるのがポイントです。
ただし、大きな手のようにも見えるためびっくりする猫もいるかもしれません。ブラシでおこなうよりは導入としてやりやすいです。力加減がしやすく、猫も気持ちよさそうにすることが多く、1つあると便利かもしれません。
猫用おすすめブラシ~種類別~

ブラッシング用のブラシにはいろいろな種類のものがあります。それぞれのブラシには特徴があり、猫の好みや被毛の長さ、目的によって使い方が変わってきます。ここではブラシの種類別に解説していきます。
メリット | デメリット | ||
ラバーブラシ | ・抜け毛処理に長けている | ・皮膚を引っ張り過ぎるおそれ | 短毛猫 抜け毛対策用 |
手袋タイプ | ・マッサージ効果が高い | ・手袋が大きすぎて怖がることも | 長毛短毛 ブラッシング慣れしていない |
スリッカーブラシ | ・被毛の絡まりをほどきやすい | ・ブラシのやり方で皮膚を傷つけるリスク | 長毛短毛 毛玉絡まりをほどく |
ピンブラシ | ・毛量の多い猫におすすめ ・使いやすい | ・抜け毛はあまりとれない | 長毛短毛、毛量多い猫 日常のお手入れ |
コームタイプ | ・抜け毛処理と仕上げの整えに最適 ・フケやノミ取りもできる | ・金属製の硬いブラシを嫌がる猫もいる | 長毛 仕上げ |
獣毛ブラシ | ・被毛のツヤ出しに最適 ・マッサージ効果 ・豚毛や猪毛は静電気が起こりにくい | ・抜け毛処理は最低限 ・ブラシについた抜け毛は取り除きにくい | 長毛短毛 被毛のツヤ出し |
アンダーコートブラシ | ・換毛期の抜け毛処理が優秀 | ・普段使いでは被毛が抜けすぎ | 長毛短毛 換毛期の抜け毛対策 |
ラバーブラシ

ラバーブラシはゴムやシリコンでできており、ブラシが柔らかく肌あたりが優しいことが特徴です。
ゴムやシリコンの摩擦で毛をほどよく引っ張ります。
優しくなでるように使うだけで抜け毛がとれるので使いやすいです。
皮膚の血行促進やマッサージ効果も期待できます。
特に短毛種の猫におすすめです。
手袋タイプ
手袋タイプのブラシは、手袋の手のひら部分にラバー状の突起がついた手袋で、手につけて撫でるようにブラッシングができるものです。
手のひらについているため、ブラシを怖がるような猫にも使いやすく、柔らかいものが多いため、猫も気持ちいいようです。
スリッカーブラシ

スリッカーブラシは抜け毛だけではなく、毛の絡まりをほぐしやすい設計になっています。
そのため、毛の絡まりやすい長毛種におすすめです。
猫の皮膚を傷つけないように、ピン先に丸い玉がついたものあるため、安心して使えます。
ピンブラシ

ピンブラシは人が使うブラシと似た形のものも多く、初めてでも使いやすいのが特徴です。
ブラシ面積が広いので、毛量の多い猫におすすめです。ピンの間隔が比較的広く抜け毛はあまり回収できませんが、毛の絡まりをほどけたり日常使いにはよいでしょう。
ピンブラシと獣毛ブラシが両面についている商品もあり、1本で使い分けができる便利なものもあります。
コームタイプ

コームタイプのブラシは、人が使う櫛のようなブラシです。
主に毛並みを整える目的で使用します。目が細かいタイプはノミやフケを取り除くこともでき、「ノミ取り」ともいわれています。
目が粗いものと目が細かいものが1つになっているタイプのものが多く、使用する部位で使い分けます。
獣毛ブラシ
獣毛ブラシは豚や猪の毛で作られたブラシです。獣毛ブラシでブラッシングすると被毛をつやつやにしてくれます。豚毛や猪毛には適度な水分、油分が含まれているため毛に艶を出してくれる効果があるのです。さらに、静電気が発生しにくく猫にとっても心地よいブラシになっています。
ハードタイプとソフトタイプがあり、長毛種にはハードタイプ、短毛種にはソフトタイプがおすすめです。
アンダーコート用ブラシ
アンダーコート用ブラシは、主に換毛期の抜け毛対策に使用します。
換毛期の大量の抜け毛をしっかりと取り除いてくれます。長毛用、短毛用とそれぞれ専用の
やり過ぎると必要な毛まで取り除いてしまうため、やり過ぎには注意が必要です。
有名なところではファーミネーターという商品があります。
まとめ
猫のブラシは長毛種、短毛種で使い分けが必要であり、さらに用途によっても使い分けが必要となります。
猫の被毛と用途に合ったブラシでブラッシングを行ない、日々のお手入れのブラッシングを楽しくおこないましょう。
適切なブラシでのブラッシングをおこなうことで、猫との信頼関係も深まり充実した猫との生活を送れることでしょう。
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